もってけ!ずしおうまる

モンハンが大好きな、へっぽこ大剣ハンターZushiの狩猟記録。他ゲー、アニメ、音楽、仕事の愚痴。持続性のない記事が多めです。

ドラクエ5は名作、ドラクエ7は駄作という風潮なのか?

ども!
Zushiであります。
今回はドラクエ5は名作。ドラクエ7は駄作。
と言われてしまう風潮について考えていこうと思います。
ちなみにわたしはドラクエ5とドラクエ7はプレイ済みです。
そしてわたしは、ドラクエ5派でもなくドラクエ7派でもなく、
ドラクエ4派の人間なので、
中立的な立場から語っていけたらなと思います。
ドラクエ5やドラクエ7のファンの皆様には不快な表現もあるかもしれませんが、
いちシリーズファンの戯言として大目に見ていただければ幸い
です。








【ドラクエ5はなぜ人気があるのか?】
これはドラクエ5の主人公が歴代主人公の中で、もっともドラマチックな冒険をしたからだと考えられます。
歴代主人公の中で最も悲惨な目にあい、
けれども、人生を共にできる伴侶を見つけ、
最後は親子でラスボスに挑む…
という、ドラクエ5はとにかくドラマ性のある内容なんですよね。
日本人の性質なのか…それとも人間の性質なのかはわかりませんが、
ゲームや映画などの、エンタメって主人公が不幸な目に合えばあうほど、不思議と同情して感情移入しやすくなるものです。
そして散々、悲惨な目にあった主人公が幸せになると、不幸な時に感情移入したぶん、たとえようのない感動が味わえるのです。
ドラクエ5には、不幸幸福不幸幸福と、
どん底と幸せな瞬間が交互にやってくるので、プレイヤーを飽きさせないままラストまで引っ張っていけるのです。
そしてそういったゲームは、とにかく記憶にも残りやすい。
たとえば「ドラクエ5ってどんなゲーム?」と尋ねられたら、
親子三代にわたって悪と戦ったゲームで、
悲惨な状況から幸せをつかみ運命の人と結婚し、自分の息子たちと一緒に世界を救う感動の名作!

とパッと答えやすい。
ドラクエ5を語る上で必要な三大キーワードは、
父の死、結婚、息子(娘)
であり、この3つのキーワードが頭にインプットされているだけで、物語の大筋を語れてしまうのです。
ドラクエ5は適度にドラマ性がありつつ、記憶に残りやすい王道の物語だからこそ、名作にあげられやすい性質をもっているのだと思います。








【ドラクエ7はなぜパッとしないのか?】
では逆に「ドラクエ7はどんなゲーム?」と尋ねられたとき、すぐに答えられるでしょうか?
好きな人は瞬時に答えられるかもしれませんが、シリーズファンでも、えーと…と言葉に詰まってしまうかもしれません。
もしかすると、主人公の親友が永久離脱して、仲間の女の子はツンデレで…とストーリーとあまり関係のない部分のほうが印象深いかもしれません。
なぜならドラクエ7は、ドラクエ5のように1人の男の人生の軌跡を描いたゲームではなく、
短編集のようなゲームだからです。
色々な世界を見て回り、時には理不尽なことがあったり、善悪で片付けられないようなことがあったり…
島ごとに1つの短編があってそれに主人公が介入していくような感覚なので、記憶に少し残りづらいのです。
ドラクエ5は主人公の人生の物語…
ドラクエ7は散りばめられた短編集に主人公が介入していく物語…
という点も、主人公に感情移入できずドラクエ7の印象を薄くしてしまう原因なのかもしれません。








【ドラクエ7は駄作なのか?】
ドラクエ7は間違いなく名作です。
個人的には、他のナンバリングタイトルにも引けを取らないと思います。
ドラクエ7は特に他シリーズよりも、
人間の醜さ、汚さ、心の弱さを緻密に描いていて、
心にグサっと刺さるような台詞やイベントも多数あります。

大人にぜひ遊んでもらいたいナンバリングタイトルです。
ただ、子どもがドラクエ7を遊んだ場合、
主人公が頑張ったのに、良い結果にならないことも当たり前にあるので、
ドラクエ7の暗く、重たいストーリーに耐えられず投げてしまう場合もあるかもしれません。
子ども向けではなく、わりと大人向けの作品で、
決して王道ではないですが、駄作ではない。
隠れた名作の部類に入る
のかなぁと思います。







【ドラクエ7はキーファが全てを攫っていった】
ドラクエ7のストーリーがあまり深く残らない(もちろん印象深いストーリーもあるが)理由の1つに、キーファという存在があるのかなと思います。
キーファは、主人公の親友であり、はじめて仲間になるキャラクターであり、
主人公が旅立つ理由を作った最重要人物でありながら、途中で永久離脱してしまう
のです。
ドラクエシリーズのほとんどの仲間たちは、主人公の旅に最後まで付き合ってくれます。
ラスボスに因縁のあるキャラはもちろん、直接的に因縁はなくとも、世界の為に…ひいては主人公の為に…1人の友人としてついてきてくれます。
ドラクエ7のキーファは、
自分から主人公を冒険に誘っておいて、
旅先で知り合った女の子に一目惚れをして、友との冒険を捨て、故郷を捨て、父と妹を捨て、二度と帰って来ることはありません。

ドラクエ7のストーリー以上にこの永久離脱がショックで、そちらのほうが記憶に焼き付いてる方も多くいることでしょう。
ただ、今にして思えば、
これもドラクエ7だからこそ出来たことなのかなと思います。
ある意味キーファは人間臭いのです。
自分の決めたことに真っ直ぐで、
手に入れたいもののためなら、たとえ大切なものを失うことも厭わない覚悟があった。
プレイヤーからしたら自分勝手でワガママだと映るかもしれませんが、それもまた人間の闇の部分でもあり、光の部分でもある。

ただ、良くも悪くもドラクエ7=キーファというイメージを作ってしまったのは残念だったかもしれません。
けれども、キーファはドラクエ7でしか描けないキャラクターだったとも言えるでしょう。







【運命に翻弄されるドラクエ5、好奇心から始まるドラクエ7】
ドラクエ5の主人公はとにかく運命に翻弄されるのです。
母親を魔物に攫われ、父と共に母親を探す旅に出るも、父親は殺され、
その後、魔物に奴隷にされ数年を無駄にするものの、
天空人の血を引く花嫁と結婚し、
授かった息子は勇者として生まれてくる…
とにかく壮絶であり運命に振り回される人生です。
ドラクエ5の主人公は、幼い頃から父親とともに母親を探す過酷な旅をしていて、同年代の子供たちとは、まるっきり違う運命の中にいます。
このようにドラクエシリーズの主人公は、
最初から魔王を倒すという宿命を背負っていたり、
ラスボスと何らかしらの因縁があって旅に出たりと、
旅立つ理由が明確なことが多い
のです。
一方、ドラクエ7はシリーズでも珍しく、
旅に出る目的に明確な理由はなく、
本当にただの純粋な好奇心から旅立つ
のです。
ストーリーが進むに連れ、世界の秘密に触れ、全容が明らかになっていくのですが、
ドラクエ7の主人公は、旅立つ動機が他のシリーズ主人公に比べてやや薄いのかなと思います。







【キャラクターデザインの一新】
ドラクエシリーズのキャラデザインは鳥山明先生が手がけているということは、あまりにも有名な話ですが、
1〜3あたりまではドラゴンボール初期の絵柄でしたが、
4〜6はドラゴンボール全盛期に近い絵柄のキャラクターデザインでした。
そのため、当然ながらドラクエの主人公もドラゴンボールと同様に、筋骨隆々で端正な顔立ちをしており、見るからに強そうでした。
しかし、ドラクエ7からキャラクターデザインが一新され、
キャラクターの頭身がデフォルメされてしまいました。

ドラクエ7の主人公は、幼い顔立ちで体もヒョロっとしていて、あまり強そうには見えません。
一応ああ見えてドラクエ7の主人公は16歳です。
(ちなみにドラクエ11の主人公も16歳。ドラクエ6の主人公が1つ上の17歳)
キャラクターデザインについては、鳥山明さんの絵柄の変化だとか、制作側があえてそういったデザインにした可能性もあるので、仕方がない部分ではあると思いますが、
賛否がわかれるデザインであるのは間違いないかな…と。
特にドラクエ4〜6のカッコいい主人公の後ですから期待も大きかったぶん、落胆も大きかったのではないでしょうか。
ドラクエ7はキャラクターデザイン的にも、他シリーズに比べて不遇な部分があるのかなと感じました。







【ドラクエ7は長い】
他のシリーズはだいたい冒険に出る!と決まったら、はじめて外の世界に飛び出してスライムを倒すまでのスパンが短く、すぐに目的に向かって動き出せます。
でも、ドラクエ7はまず、はじめて倒すことになるスライムが登場するまでが長い(3DS版ではありがたいことに緩和された)
旅をする目的が明確になるまでが長い。
1つ1つの島の短編のような物語が長い。
というか、重く、業が深い物語が多いので、長く感じて疲れてしまうのかもしれません。
他のナンバリングタイトルのようにやることが決まったらそこに向かって一直線…というより、
ドラクエ7はなんのためにこれやってるんだっけ…?となりがちなのも、評価を下げてしまう理由なのかもしれません。








【総括】
あたかもドラクエ7を酷評してるみたいに書いてしまいましたが、
ドラクエ7は間違いなく他のナンバリングタイトルと同様に名作だと思います(むしろドラクエ5がやや過大評価されすぎ?)
ただし、ドラクエ5のように、誰もが夢中になり記憶に残るような万人にウケする内容ではなく、人を選ぶ内容であるのは間違いありません。
やたらとながい冒頭、
微妙なキャラデザ、
暗く、重いテーマが各地に散りばめられ、
親友は永久に離脱…

買ったものの最後までプレイ出来なかった層が一定数いて、駄作というレッテルを貼られてしまった不遇な作品かなと思います。
(もちろんクリアしたうえで駄作と思った方もいると思いますが…)
けれど、子どもの頃クリアできなくとも、良さが理解できなくとも、
今遊んでみたら楽しい…なんてこともあるかもしれません。
ドラクエ7は大人になればなるほど味わい深いストーリーがあって、
胸に突き刺さること間違いなしです。
3DS版やiOSならば気軽に遊べるので、プレイしたことがない方もぜひ遊んでみてはいかがでしょうか。






結論をいうと、
ドラクエ5はドラクエを代表するドラマチックで万人に愛される名作、
ドラクエ7は決して陽の目を浴びることはないが知る人ぞ知る名作、
という風にわたしは解釈しました。
そして、最後に言っておきますが、
ドラクエシリーズに駄作も一番もないのです。
人によって思い出深いナンバリングタイトルは違うし、一番好きな物語は違うのです。

それぞれのシリーズの良さを知ってこそ、ドラクエファンと言えるのではないでしょうか。
と、綺麗にまとまったところで、お後がよろしいようで…。