今更YUIの素晴らしさを語る
ども!
ずしおうまるです。
突然ですが、みなさんの甘酸っぱい青春を彩ったアーティストをひとりあげるとしたら誰でしょう?
ちなみに、わたしはYUIを挙げます!
ご存知の方もご存知でない方もいると思いますが、当時、auのcmで話題になった「CHE.R.RY」でYUIを知った人が多かったと思います。
ちなみに、わたしは偶然、竹内結子さんと福山雅治さん主演ドラマ…不機嫌なジーンを見ていて、
その主題歌だった「feel my soul」からYUIを知りました。
この曲がYUIのデビュー曲だったんですが、
はじめて曲を聴いたときは、衝撃でした。
決して歌はうまくない。
でも、なぜでしょうね。
底が知れないような、訴えかけるような、鳩尾に響いてくるようなパワーがあったんですよね。
あの不思議な感覚は後にも先にもYUIだと思います。
*1st アルバムFROM ME TO YOU
デビュー曲feel my soulをはじめ、デビューしたての初々しさが詰まった1枚。
この時からすでに少し闇の片鱗があるw
【CHE.R.RYで爆発的に知名度をあげた】
YUIの代表曲CHE.R.RYは、
爽やかで春らしいメロディーにのせて、
好きな人にメールを打つときのドキドキとワクワクが入り混じったような…恋をしたときの甘酸っぱい感情を歌った歌詞は、
若者の心を見事に鷲掴みにしました。
当時、はじめて高校生になって、携帯を買ってもらった世代には、特にドンピシャだったと思います。
わたしもCHE.R.RYに胸をズキュンと撃ち抜かれた世代でした。
学校から帰って、そろそろ夕ご飯を食べおわった頃かな…?
今なら大丈夫かな…?とタイミングを見計らって、
メールを打ったときの緊張感…。
返事が待ちどおしい気持ち…。
当時の恋と曲を重ねながらあらためて聴くと、まさに青春そのものをのせた曲でしたね。
【シングル曲の光とアルバム曲の闇】
CHE.R.RYですっかりYUIの可愛らしくも、甘酸っぱい世界観にハマったわたしは、
CHE.R.RYが収録されている2ndアルバムを購入しました。
けれど、このアルバムがまさに衝撃的だったのです。
このアルバムの1曲目の曲。
「How Crazy」
この曲を聴いたとき、ショックを受けました。
この歌詞の内容は、YUIの心の底からの叫びのように感じたからです。
売れたからって、あの頃からなにも変わってない。
変わりたくない。
尊敬できない人のアドバイスなんて、わたしには必要ない。
わかったように、勝手にわたしのことを話さないでほしい。
わたしは、あなたが思うような純情な人間じゃない。
歌詞の内容をざっとまとめるとこんな感じでした。
甘酸っぱい青春が詰まったようなCHE.R.RYと
は真逆の、
負の感情がたっぷり入ったバケツを、ぜんぶひっくり返して、ぶちまけたような歌詞は衝撃的でした。
シングル曲では、爽やかで透明感のある恋の歌をうたっているのに、
アルバムの中ではドロっとした葛藤だとか、本音が垣間見えるような…今でいう、生きづらさ みたいなものを歌っていて、
そのギャップに衝撃を受けました。
でも、このHow Crazyをきっかけに、ますますYUIを好きになりましたね。
CHE.R.RYがYUIの光の部分だとすれば、
How CrazyはYUIの影の部分。
光の部分だけ歌っていれば、YUIの美しいビジュアルと相まって、安定して人気が出そうなのに、
影の部分も包み隠さず歌いあげるYUIの不器用さに、わたしはすっかりハマっていました。
特にこの2ndアルバムは光と影の部分を行ったりきたりするような、一見まとまってるけど情緒不安なアルバムで、
ホントに良い意味で最高傑作だと思います。
*2ndアルバム CAN'T BUY MY LOVE
代表曲CHE.R.RYのような可愛らしいアルバムをイメージして購入したファンを驚愕させた名盤。
ただ、明るい曲も多いので、
YUIの曲を聴きたい人はまず、このアルバムから入るのがおススメ。
【葛藤や苦しみを歌う】
YUIの曲は、爽やかで温かくホッコリした気持ちになるような曲もあれば、
自分の身を削って、まるで振り絞るように書き殴っているような曲も多いのです。
誰かに言われたこと、感じたこと、傷ついたこと、嬉しかったこと、
決してフィクションでなく、実際に経験したことをそのまま曲にしているような、そこはかとない生々しさがあるのです。
3rd アルバムの中でも特に「Love is all」という曲。
自身が作っていた曲を否定されて、深く傷ついた出来事でもあったのでしょうか。
人に言われたとおりに出来ていたら、こんな苦しみはなかったのに…
叫び出しそうな思いを爆発させていて、
このアルバムのあたりから、自問自答するような、まるで自分に言い聞かせるような曲が増えていきました。
もともとYUIは、夢や希望、自分はこうしたい、こうありたい…という未来のビジョンを歌う曲が多かったです。
でも、1st 2nd アルバムが「まだ見ぬ未来のためにこうありたい…」という曲だとしたら、
3rdアルバムは「周りに流されたくない。流されないために自分はこうあらねばならない…」
という、決意を歌っているように感じました。
*3rdアルバムI LOVED YESTERDAY
Love is allやFind meなど葛藤色が強い曲が印象的。
逆に1曲目のLaugh awayが春風のような爽やかな曲なので、当時そのギャップが怖くもあった。
【出す曲出す曲タイアップだった】
今思えば、YUIの魅力はこの不安定さだったのかもしれません。
彼女自身の美しいビジュアルはもちろん魅力の1つでしたが、
無口でクールな印象なのに、時折はにかむと年相応で可愛らしい。
曲を歌うときは、その綺麗な顔をくしゃっと歪めて、まるで吐き出すかのように歌う…。
とにかくギャップがたまらなかったです。
そして、シングル曲で見せる天真爛漫な部分、
アルバム曲で見せる葛藤や脆さに多くの人が魅了されていきました。
アニメから映画からドラマからCMまで、本当にYUIのシングル曲はなんにでもタイアップがついていました。
YUIなんて知らないよって人も、もしかすると気付いていないだけで、どこかで耳にしていた曲はあったんじゃないかな。
本当に当時のYUIの勢いは凄まじかったです。
でも、売れれば売れるほど、彼女はボロボロに荒んでいったように感じました。
YUIはタイアップに合わせて曲を書ける才能がとにかく、突き抜けていました。
でも、自分が書きたい曲ではなくて、求められる曲を書く大変さは、そうとうなプレッシャーとストレスだったのでは…と思います。
そうして、やっとの思いで書いた曲も、
評価され、批判され、切り捨てられ…。
そういった不信感みたいなものを曲にして、吐き出し始めたのは、この頃だったかもしれませんね。
*4thアルバム Holiday In The Sun
ひと夏の恋を1つのアルバムに集約したような感覚が味わえる。
es.carで江ノ島デートで燃えあがった恋が、ラストのKiss meで一気に冷めてる感じに儚さを感じる。
【病気と活動休止】
あるとき、YUIは自身がパニック障害と診断されたことを公表します。
そのとき、え!?と思った方もいたかもしれませんが、YUIの曲をここまでずっと聴いてきたファンは薄々、ああ…そうかもな…と、納得できる部分はあったと思います。
アルバムを聴いていると、突き抜けて明るい曲と、突き抜けてブチギレてる曲と、
突き抜けて鬱状態の曲が散りばめられていて…大丈夫かな?と思っていた人も多かったと思います。
深く知らないし、会ったこともないのに、
それだけYUIの不器用さと繊細さは曲に表れていたんですよね。
YUIは多くを語らず、曲にして自身の思いを吐き出していました。
自分が書きたい曲と求められている曲のギャップに、
心が耐えきれなくなって、折れるギリギリまで頑張って期待に応えようとしていたのかもしれません。
でも、そうして、ついにYUIは活動休止しました。
やはり、ファンとしては当時ショックでしたが、
それ以上に、感謝の気持ちが大きかった。
YUIの曲に救われたことが何度もあったからです。
イヤホン越しに聞こえる奮い立たせるような曲、慰めるような曲、マジでやってらんねぇよなという曲、
本当に引き出しが多かった。
どこか寂しげでつらそうに歌っているように感じることもありました。
でも、自分の身を削りながら、そうやってYUIは誰かの背中を押してくれていたんだな、と。
きっと今は、もう、誰かのために歌えるような心理状態じゃないんだな。
そう思ったら、YUIの活動休止もストンと受け入れられました。
*5th HOW CRAZY YOUR LOVE
一番かっこいい曲が多いかもしれない。でも、同時にこのあたりは悲しい曲も多くて、聴いていられなかった。
【真夏の流星のようなアーティスト】
ほんとうに怒涛の勢いで曲を出し、
出す曲出す曲、どんどんヒットしていった。
でも、去るときは一瞬でした。
活動休止を発表したときも、人気絶頂の中でのことでした。
YUIに似たような歌手は今でもちょろっと出てきますが、やっぱり彼女の存在感は凄まじかった。
思い出補正と言われたら、それまでなんでしょうけれども、
キラキラ眩しい光の中にいるのに、
どこか暗くて深い闇を抱えているような…
デビュー曲に衝撃を受けて、爆発的に売れてから、少しずつ弱っていって、活動休止までを見届けたファンとしては、
本当に流れ星のように美しい歌手だったと思います。
【若い世代にも、ぜひ聴いてほしい】
おそらく…というか、確実にYUIの曲は、いまの若い世代にも刺さると思います。
代表曲、CHE.R.RYはガラケーで好きな人にメッセージを送る曲ですが、スマホに変わっても甘酸っぱい恋の歌は色あせることはないでしょう。
そして、YUIの吐き捨てるような葛藤は、
悩み多き思春期の若者には共感できる部分があると思います。
そして、いまでいう「生きづらさ」も、YUIは歌いあげていたように感じます。
他人に対する不信感、不安、苦しみ…。
おそろしく不器用で、おそろしく人間臭い。
遠い存在のはずなのにどこか近いように感じる。
だからこそ、多くの人から共感を生んだアーティストだったのかもしれません。
【総括】
How crazyな主観を書いてすみません…
今回書いたことはまさしくYUIの嫌うことですよね…。
勝手に想像して、
憶測でこうだったんじゃない?ああだったんじゃない?
と、話すことは彼女が最も軽蔑していることだろうな…と。
でも、本当にYUIに影響された世代としては、
いまの若い世代にも聴いてほしい曲がたくさんあるので紹介したい気持ちもあり、
ついつい勝手なことを書いてしまいました。
本当に申し訳ありませんでした。
最後になりますが、YUIは現在、FLOWER FLOWERというバンドで音楽活動をしています。
色あせない透き通るような歌声は健在です。
興味のある方は、こちらもぜひ…。
バンドでしか見られないYUIの一面。めちゃかっこいいですよ。