もってけ!ずしおうまる

モンハンが大好きな、へっぽこ大剣ハンターZushiの狩猟記録。他ゲー、アニメ、音楽、仕事の愚痴。持続性のない記事が多めです。

長年のポケモンファンが名探偵ピカチュウを観た感想

ども!
ずしおうまるです。
5月3日に公開された、
「名探偵ピカチュウ」を観てきました。
今回はその感想などを書いていこうかと思います。
名探偵ピカチュウは公開前からポケモンファンのあいだで話題になっていましたね。
予告のショートムービーに登場したポケモンたちが、「キモい」「こわい」などとSNSで盛り上がっていました。
わたしも長らくポケモンファンで、ゲームボーイの赤緑からずっと追いかけてきましたが、
ポケモンの世界を実写化というのは難しいだろうと思っていました。
しかしながらこの、「名探偵ピカチュウ」は、実写化して正解だったと言わざるを得ないほど良い作品でした。
今回はそんな映画の感想をまったり書いていきたいと思います。
なるべくネタバレしないように書いていこうと思いますが、少しネタバレも含まれてしまうかと思います。
少しのネタバレも不安な方は見ないようにしていただけると幸いです。
では以下より感想となります。



















☆名探偵ピカチュウの良いところ
・世界観の素晴らしさ
まず映画を見て最初に感動したのが、人間とポケモンが共に生きている世界観が実写で見られたことに感動しました。
昔からポケモンが大好きだったわたしは、
小さい頃からポケモンとの出会いにあこがれていて、草むらの陰にもしかしたらコラッタがいたり、岩場にある石ころが、もしかするとイシツブテだったりするんじゃないか?と想像しながら遊んでいたものですが、
この映画はまさにわたしが小さい頃、思い描いていた世界そのものなのです。
空を見上げればピジョットが飛び回り、
牧場にはバッフロンが飼育されていて、
町にでればエイパムが街灯によじ登って遊んでいたり、
火事が起こればゼニガメが消火活動を手伝い、
見渡せば人と寄り添うように歩くポケモンたち。
人間とポケモンが共存して生きる世界。
ひともポケモンもお互いを必要とし合っている…
そういったポケモンの世界や描き方が絶妙でした。
作り手側もきっと幼いころ、こんな世界に憧れていたのではないだろうか…と思わせるほど、どっぷりと浸れる素晴らしい世界観でした。







・ポケモンは優しくも怖い生き物。
たとえばゲームのポケモンが可愛らしくデフォルメされた姿だとしたら、
名探偵ピカチュウに出てくるポケモンたちは、
現実により近い描かれ方をしているのではないでしょうか?
予告版で散々キモい怖いと言われていたポケモンたちですが、
もしわたしたちの生きる世界にポケモンがいたら、たぶんこんな風に見えるんだろうなぁという絶妙なラインでポケモンたちを描いてるんですよね。
かわいくしようと思えばいくらでもできるはずなのに、あえて気持ち悪いな、怖いなと思わせる方向に持って行っているように感じました。
けれど、それは正解で、
ポケモンってあくまでモンスターですからね。
現実にリザードンがいたらとても怖いし、巨大なギャラドスが海を泳いでいたら発狂ものですし、虫ポケモンなんて鳥肌ものでしょうね。
かわいいだけじゃなく、ポケモンの怖さを描いてくれた点がとても好感がもてました。
より「リアル」に近いかたちでポケモンと人間が生きる姿を見せてくれていたように感じました。
小さな体のポケモンでも、人間より遥かに強いのは当然で、
けれどもそんな怖い側面をもったモンスターたちと信頼を築ければ、パートナーになれる。
夢のある世界だと思います、ポケモンは。





・ピカチュウたちのかわいさ。
映画を観てあらためて思いましたが、ピカチュウは、やはりものすごくかわいいですね。
ニンテンドースイッチで発売されたピカチュウ ・イーブイでは、イーブイにやや押され気味だった印象でしたが、名探偵ピカチュウを観て、やはりポケットモンスターを象徴するキャラクターはピカチュウにおいてほかにない!と思いました。
思わず抱きしめてしまいたくなる、ふわふわの黄色い毛並み…。
場面によってコロコロと変わる表情の豊かさ…。
戦闘になれば凛々しい表情を見せ、電気ワザをバチバチとキメていくかっこよさ…。
もし現実にピカチュウがいたら、みんなピカチュウを欲しがって乱獲されて、いなくなってしまいそうですね。
あと、ゲームのポケモンを遊んでいたときは、「進化」はわりと重要な強化要素で、
てっとりばやく進化させてしまえば、ストーリーをどんどん進められますし、ポケモン図鑑もうまるし、一石二鳥なので、当たり前のようにポケモンを進化をさせていました。
しかし、ゲーム内に登場するNPCたちの中には、ポケモンを進化させたくないと言っているひとや、強さを競いあうはずのポケモントレーナーの中にも、強いこだわりがありポケモンを進化させていないひとたちもいます。
ゲームをしているときは、何でだろう?進化させれば強くなるのに…と思って遊んでいたものですが、ようやく気持ちがわかりました。
あの可愛らしいピカチュウやヒトカゲやゼニガメやフシギダネを観てしまったら、進化させたくない気持ちが痛いほどわかります。
たとえば、ピカチュウならばライチュウになって重くなって肩に乗せられなくなったらとても悲しいですし(ライチュウ30kg、ピカチュウ6kg)
リザードン、カメックス、フシギバナに至っては肩に乗せるどころか自分が背中に乗せてもらうかたちになるのでしょうか…。
それはそれで楽しいですが、
進化先のポケモンたちの凶悪な姿を見たらなかなか進化させたいという気持ちにならないかもしれませんね。
進化キャンセルって大事だなと痛感しました。






・ポケットモンスターという作品へのリスペクト。
この映画はポケモンが好きなひとが作ってくれている!と所々で感じる箇所がちりばめられていましたね。
劇中でゼニガメが消火活動をしていましたが、アニメのポケモンでも、サトシのゼニガメは消防団に入っていましたね。
ライムシティの道路の真ん中で眠りこけていたカビゴンは、ポケットモンスター赤緑で道を塞いでいたカビゴンを思い出させますし、
バーでプリンが歌っていたうたは、アニメのプリンが歌っていた曲そのままです。
そして物語冒頭のシーンは完全に、ポケットモンスターの映画の中でも最高傑作といわれている「ミュウツーの逆襲」のオマージュです。
ほかにも挙げたらけっこうオマージュっぽいところがたくさんあるのですが、
こういった昔からポケモンが大好きなファンも思わずグッとくるような細かい演出がたまらなかったです。
もちろん、赤緑の時代を知らない子どもたちのために初代だけではなく、歴代のポケモンたちがいたるところに登場していた点もよかったと思います。
アニメ、ゲーム、映画…とポケモンシリーズは素晴らしい作品がたくさんありましたが、
名探偵ピカチュウは、今までの作品を作り手側がとても大事にしてくれていることが伝わってくるような、温かい映画
でした。




・主人公とティムと幼い自分を重ねる。
主人公ティムは、幼い頃、ポケモントレーナーになるのが夢でしたが、ある理由からポケモントレーナーになりたいという夢を諦め、
いつしかポケモンそのものを遠ざけてしまうようになりました。
こういった経験はポケモンに多大な影響を受けた方ほどわかると思うのですが、
幼い頃、わたしもポケモントレーナーになりたいと思っていました。
ガチャガチャのカプセルを握りしめて、どこかにポケモンがいるんじゃないかと、友達と一緒にあちこち駆け巡った記憶があります。
いつしか、この世界にポケモンはいないと気づくのですが、
諦めつつも、どこかにいたらいいな〜みたいな気持ちはじつはいまでもあったりします。
主人公ティムは夢を諦めポケモンを遠ざけ、
わたしたちはポケモンがいないと知りポケモンから遠ざかっていった…。
そんなまるで幼い自分を見ているような既視感を感じながら映画を見ているうちに、
ティムはピカチュウと苦楽を共にし、ついにはお互いを認め合う相棒となるのです。
相棒となってからの2人の友情は、まるでアニメのサトシとピカチュウそのもので、
そんなサトシとピカチュウの関係に憧れていた幼い自分を思い出して、何だか懐かしい気持ちになりました。
名探偵ピカチュウは、いまポケモンが好きだという幼い子たちに向けられた作品でありつつも、真の部分ではポケモンが大好きだった大人たちに向けられた作品だったのではないか?と感じました。
先程お話した、過去作品を思い出させる部分も、そういった思いから散りばめられているのかもしれませんね。






☆名探偵ピカチュウの微妙なところ
・先が読めてしまうストーリー
名探偵ピカチュウは、アッと驚く展開だとか、今までの情報が点と線で繋がって、一気に伏線を回収していく…みたいなことを期待する映画ではないです。
わたしもわりと序盤で、もしかすると…と思っていたのですが、案の定わたしが思った通りの出来事が起こり、やっぱりそうだよね…という感じで終わりました。
それが全てを台無しにしているかと言うと、決してそんなことはありません。
ただ「名探偵」いう要素に期待するとかなり拍子抜けしてしまう作品だと思います。
ピカチュウと一緒に推理をして犯人を見つけて事件を解決していく…というスタンスの映画では決してありません。
どちらかといえば、ピカチュウとティムの友情の物語であり、親子の絆の物語であり、その世界観に浸り、登場するポケモンにホッコリすることに特化した映画です。
推理や謎解きや主人公たちのラブコメ要素に期待するならば、いまちょうど同時期に上映している名探偵コナンのほうをご覧になったほうが有意義かと思います。
やはり「名探偵ピカチュウというタイトルがちょっとアダになったかな?と思うような感じでしたね。
推理物に特化していないし、わりと先が見えてしまう内容なので、探偵要素に期待していたひとは、え?と思うかもしれません。
そこが少し残念な点かな…と思いました。






・主人公ティムの掘り下げが少し浅い
もともと名探偵ピカチュウは3DSのゲームとして発売された作品でした。
残念ながらわたしも原作は未プレイのため、原作通りに物語が作られているのか、それとも映画用に新たにストーリーを作ったのかはわからないのですが、
ただ1つ言えることは、主人公ティムの過去や何故ポケモントレーナーになる夢を諦めたのかという部分の掘り下げが、やや浅いかな…と思いました。
一応、ティムがポケモントレーナーを諦めるきっかけになった出来事が描かれているのですが、その起きた出来事に対して、過去と現在のティムがどう感じたのか、なにを引きずっているのか…という感情の部分の掘り下げがイマイチなため、わかりにくいのです。
そしてその出来事をきっかけにポケモントレーナーの夢を諦めた…それはわかるのですが、
ポケモンとの関わりを一切断ってしまった…という点はよくわからないですね。
その出来事にポケモンが深く関わっていて、ポケモンに対して良い印象がなくなった…というならばわかりますが、夢を諦めた根本的な原因がポケモンではないにもかかわらず、
そこまでしてポケモンを遠ざける理由が曖昧で、少し違和感をかんじました。
ただ、ティムをカラカラに見立ている描写があるのですが、
そこでティムの感情、過去を読み取れるようにしているのは好印象でした。
というか、話のテンポの良さと世界観でゴリ押しできてしまうので、ささいな不満ではあると思いますが、心理描写がもう少し丁寧だとなおよかったかなと思いました。






・やはりバトルが見たい
名探偵ピカチュウという作品自体はわたしはすごく好きで、素晴らしいと感じました。
しかし、SNSなどの感想を見ると、さきほども言ったように、ストーリーの先読みができてしまい、驚くような要素もなく、
見る人がみれば、ありきたりでつまらないストーリーだと感じている方も多いのかなぁと思いました。
たしかに、
推理物としても中途半端、アクション物としても中途半端
であるような感は否めません。
ただ、名探偵ピカチュウで一番アツイ場面はどこだったか?と聞かれたら、
ピカチュウVSリザードン
を挙げるひとがけっこういるのではないかな?と思います。
そもそも「ポケモンに望んでいることはなにか?」
と言うと、ポケモンバトルをイメージするひとが多いと思うんですよ。
実際、わたしも映画のバトルシーンにはワクワクしました。
…しかし、主人公がポケモントレーナーではなかったことと、
舞台であるライムシティも、ポケモンとの共存を主とした町で、法によってポケモンバトルを禁じられているという設定のため、
手に汗握るような駆け引きと熱いポケモンバトルをがっつりと描けなかった部分は、かなり惜しいと思います。
逆に、成功してる部分もあって、
さきほどの「ポケモンに望んでいることはなにか?」という問いにもどります。
バトル以外に出てくる答えがあるとすれば、
大自然で生きるポケモンたちの姿や、
ひとの生活の中で生きるポケモンたちの姿を見たい。
ポケモンと人間の絆が見たい。

そういった部分だと思うんですよね。
名探偵ピカチュウはいま挙げた部分はとても上手に描かれており、その点においては成功しているのではないかな?と感じました。
だからこそ、次回作があるとすれば、ポケモントレーナーと相棒ポケモンとの出会いと成長と絆と冒険の物語を、純粋に描いてほしいなーという気持ちが強くあります。
やっぱりポケモンといえば、ポケモントレーナー!
そしてバトルなんじゃないかなと思いました。






以上がわたしの、名探偵ピカチュウを見た感想でした。
個人的には現実とポケモン世界の融合というのはまさに夢で、この世界観を観ることができただけでもかなり大満足でした。
今でもポケモンが大好きなひとには絶対おすすめできる映画ですし、
幼少期にポケモンにハマっていた大人にも観てほしい映画です。

ストーリーもありがちと感じる方もいるかもしれませんが、世界観にどっぷりハマれるひとはあまり気にならないと思います。
わたしたちの生活の中にもしもポケモンがいたら…という世界を絶妙に描いてくれているので、気になる方はぜひぜひ、映画館に足を運んでみてはいかがでしょうか?