もってけ!ずしおうまる

モンハンが大好きな、へっぽこ大剣ハンターZushiの狩猟記録。他ゲー、アニメ、音楽、仕事の愚痴。持続性のない記事が多めです。

やるきのない介護職員のぶっちゃけた話

 
ども!
ずしおうまるです。
突然ですが、わたしの仕事は介護職です。
介護職と聞いて…まっさきに想像するのは、きつい・きたない・給料が安い…等という、言わゆる3Kという言葉が浮かびませんでしたか?
介護士という仕事が大好きでホコリを持ったひとならば、
『いやいや3Kかもしれないけれど、ありがとうっていう感謝の言葉に救われるんだよ。これがあるから続けられる。
お金がもらえなくても、やりがいがある仕事なんだよ』
と言うでしょう。素晴らしい模範解答です。
 

 

 
わたしの場合、
『はい。3Kです。おもっくそ噛みつかれるわ、引っ掻かれるわ、爪たてて抓られるわ、握りこぶしでぶん殴られるわ、暴言吐かれるわ、自分でケツの穴に指突っ込んでうんこ食うわ…まあ、珍獣ばっかりっすわ。
超重労働なのに給料もバカみたいに低いです。
感謝の言葉に救われる…わたしにもそんな時期がありました。今となっては…。
やりがい?んなもん相応の対価があるから感じられるんじゃないの?』
と言うでしょう。人間のクズの解答です。真似しないように。
 
 
 
いちおう、お金をもらって働かせてもらっているし、仕事だから、抓られようが噛まれようが、バカ野郎!死んじまえと口汚く罵られようが、上辺ではニコニコ笑顔で、『すいませんね〜』なんて言いながらやってるのですよ。
だから、この仕事が好きなわけじゃないし、やりがいを感じているわけじゃないし、天職とも思いません。
安易に介護業界に飛び込むべきじゃあなかったかもしれない。ということすら考えます。
じゃあ辞めれば?と言うひともいるかもしれない。
でも言葉にするのは簡単ですが、仕事を辞めるって相当エネルギー使うでしょ?
しかも新しい業種に転職っつったらもっとエネルギーを使うわけですよ。
要するに、転職もメンドイ…だからずっとこの業界に足をつっこんだままなんです。
とまあ、安定のクズっぷりでしょう?
ほんとこんな人間に介護される利用者がかわいそうだと思います。
でもこんな人間ですら必要とされてしまうのがこの業界の悲しいところなんです。
 
 
 
 
わたしは介護職を目指そうとしている子に、安易に『この仕事はやりがいがあるよ、ウェルカム☆てへぺろっ』なんて言いたくないのです。
もし『今から介護職をやりたい!』と考えているひとがいるならば、全力で諭したい。   
まずは一度、深呼吸をして、冷静になりましょう。
本当にあなたの選択肢は『介護』でいいのか。
自分は頭が悪いしバカだから、
介護ならバカでもできるっていうし、
他にできそうな仕事なんてないし、
介護ならすぐ就職できるらしいじゃん、
就活なんてだるいもん、
辛く長い就活に疲れているし、
さっさと仕事を決めて遊びたい、
まわりは就職先が決まってるから焦ってきた、
…とりあえず、介護でもういいや、
などと言う理由でこの業界に足を突っ込もうと考えているならば、今すぐにやめてください。
もちろん、本当に小さい頃の夢で、ちゃんと介護業界を目指すきっかけや理由があって、ずっと志している…という子は止めません。
夢を叶えて、介護業界を変えるような素晴らしい介護士になってほしい、と切に願う。
ただ、動機が明確じゃなく、
介護はバカでもできて採用されやすいとか就活に疲れたからもういいや介護でとか、
そう言った理由で入ろうとしている子は、少し頭を冷やしましょう。
 
 
 
 
『介護職は最終手段と思いましょう』
 
 
 
 
世の中にはいろいろな仕事で溢れかえっています。
きっと介護より身体も心も楽で、収入を得られる仕事はたくさんあるはず。
簡単に『いいや、介護で』と考えるのは、本当にもったいないのです。
まずは、とにかくいろんな企業の面接を受けまくって、介護業界以外をどんどん知って、探したほうがいいと思います。
それでも本当に最後の最後で…仕事がなくてどうしようもなくて、介護以外の選択肢しか考えられないっていう状況になったら、この業界にくればいいと思うのです。
この仕事は、世間一般的に見たら、底辺の仕事です。(本気でこの仕事が好きなホコリある介護士さんには申し訳ないし、介護職に夢を持って入ってくる新人さんにも土下座レベルですが…)
一方でなくなったら絶対に困る仕事でも有るのです。
でも世の中のひとは、そんなこと知らないし、わからない。
だったら、世の中のひとに底辺と思われるような仕事につくよりも、
まずは夢を追っかけたほうが、ずっと良いです。
興味のある仕事、好きな仕事を探したらいい。
なんにもないなら、とりあえずサラリーマン目指して頑張ればいい。
…と思うのです。
もし挫折しちゃったら介護業界で待っています。
 
 
 
介護はたぶん、みなさんが想像している以上にキツイです。
給料も笑えてくるほど安い、夜勤をやらないとお話にならないレベル。
肉体的にキツイ、時間外労働は当たり前。
認知症の利用者の意味不明な行動・言動は精神的に苦痛を感じることもある。
暴力行為のある利用者の対応をすれば生傷は耐えない。
肝炎など危険な感染症を持っている利用者が多くおり、うつる可能性がある。
不潔行為のある利用者にうんこをなすりつけられたり、部屋や布団を糞まみれにされる。
ことあるごとに口をだすクレーマー家族。
普段面会にも来ないくせに何かあると事態を大袈裟にしたり、裁判沙汰にする家族。
金を払ってるんだ、お客様だという態度の利用者&家族。
他人に親の介護をまかせている、やってもらっているという思考が欠如している家族。
現場を知らない施設長・相談員・ケアマネの意味不明な理想追求型介護。
看護師との対立。
職員間のトラブル、派閥争い、男女関係によるトラブル。
異常なほどの離職率の高さによる万年人手不足。
新人が育たない。育つ前にだいたいやめる。
まあ、あげだしたらキリがないけど、こんなレベルです。
 
 
 
未来ある若者は、もっとまともな仕事があるんだから、簡単な気持ちで、介護業界を選ぶべきじゃないのです。
そもそも介護業界は、心から福祉を志す人間たちがやるものだ、と思う。
わたしみたいな人間のクズがやる仕事じゃない。
でも介護現場のいろんな事情で人が集まらないし、志すひとが少ないのです。
だからクズにだって頼らざるを得ない。
悲しい業界なんですよ、本当に。
ハッキリ言ってわたしはこの業界に入って、だいぶ心が荒んだとかんじています。
入った当初は、利用者さんのために何ができるだろう、これをやったら喜んでくれるかな、とか、早く先輩に追いつきたいと思っていました。
でも、いまはホント、どうでもいいとかんじます。
◯◯してあげたいという感情が欠如してしまいました。
上司に言われたら仕方がないからやるけど、自分から行動を起こす気にはならなくなったのです。
だってそれに見合う対価が発生しないんですもの。
何かやったり、考えたり、努力しても1円だって給料が変わるわけじゃないです。
ボーナスでせいぜい数千円差がつく程度。
介護業界で、頑張ってるひとと、そうじゃないひとの差って、こんなもんです。
たった数千円ぽっちのために労力を使うなんて、バカバカしくてやってられません。
だったらやらないほうが楽じゃないですか。
 
 
 
 
介護という仕事の現実をみんな知らなすぎると思います。
ニュースで介護職員が利用者を虐待したっていう話を見ると…。
正直わからんでもない。と思うときがあります。
世間のひとからしたら、信じられない、利用者がかわいそう、最低の人間、と思うのが当たり前でしょう。
わたしも介護職をしてなかったらそう思ったと思います。
でも、正直な話、わたしだって利用者を本気でぶん殴りそうになったときがあります。
介護職をやってるひとならばわかるはずです。
でも、ぜったいにやっちゃいけない、仕事だから…と思っているから、みんなどっかでブレーキが掛かるのです。
 
 
 
わたしが利用者を殴りそうになったときの話をします。
ある男性利用者で、穏やかなときはニコニコしているのですが、急にスイッチが入ると暴力行為がある方でした。
その男性利用者に靴を履かせていたときでした。
そのときはとても穏やかで、声をかけながら屈んで靴を履かせていました。
すると突然、左耳を握り拳で思いっきりぶん殴られたのです。
下を向いていた為、予備動作にも入れず。
一瞬めまいと耳鳴りで訳がわからなくなりました。
目の前の男性利用者に殴られたと理解した瞬間、
頭にカァッと血がのぼって、身体が熱くなって、ズキンズキンと脈打つような痛み涙がこぼれて…。
あまりの痛みで訳が分からなくなっていたわたしは、利用者に対する気遣いの言葉すらでなかったのです。
気づけば、
『痛えなァ!何すんだテメェは!』
と、ふだんの自分では考えられないほど大声で怒鳴っていました。
反射的に殴り返そうと右の拳を振り上げそうになって、それだけは絶対にだめだ!と、ぐっとこらえました。
利用者の二撃目が降ってきそうなところで、他の職員さんが気付いてくれて、その利用者をわたしから引き離してくれました。
一歩間違えればぶん殴っていたかもしれないしれません。
つーか、『ぜったいだめだ!』と頭によぎらなかったらぶん殴っていました。
 
 
 
これは仕事で、
このひとは認知症という病気で、
手が出ることは仕方がないことなのだ、
と呪文のように頭の中で唱えながら仕事をするしかないのです。
これは仕事・作業です、と。
ただ考えてみて欲しいのです。
いくら仕事だからって、認知症という病気で手加減というストッパーが外れている人間に、ぶん殴られたら、どれだけ痛いか。
手加減がないっつっても年寄りでしょ?とバカにするかもしれないけど、
どうせ殴られたことねぇひとにはわかりやしません。
わたしより身長が高い利用者や、体格もパワーもある男性利用者なんてたくさんいます。
なにより優しくしているのに殴られる…という暴力は、精神的にもショックです。
悪いことをして叱られて親に殴られた経験はわたしにもあります。
でも、その裏には優しさだとか愛情があるから我慢できるのです。
だけど、赤の他人に。日常的に。しかも精一杯優しくしているのに。理由もわからぬまま、思いっきりぶん殴られたら、どんな気持ちになるでしょうか。
しかも、こっちは反撃も許されないから、されるがまま。
もう怒りとか、悲しみとか、痛いとか、そんな気持ち通りこして、どうでもよくなるのです。
食事、入浴、排泄、暴力の対処ですら作業になります。
何かしてあげたいとか、何で怒るんだろう、より良い生活を送らせてあげたい…などという気持ちが薄れてゆきます。
さっさと作業を終わらせて次の作業にうつらなきゃな、ぐらいにしか思わなくなるのです。
毎回殴られまくると、だんだん麻痺してきます。
ああ。またか。面倒くさい。
抵抗されてるこの5分で、ほかの利用者の排泄介助ができたのに。ほんと時間の無駄だな」
そんなことをずっと考えながら対処するのです。
自分でもだんだん心がぶっこわれいくのがわかります。
何でこんなになってまで生きてるんだろう?
他人に暴力ふるって、
馬鹿野郎、死んじまえ、ぶっ殺すぞ、などとわめき散らして、
毎日毎日、飯食ってトイレ行って寝る。
むしろ生きたいのでしょうか?
ああ、病気とかになって早く死なないかな…なんて考えてはいけないようなことも、ぼんやり考えてしまいます。
勘違いしている人がいるかもしれないが、介護士は聖人じゃありません。
何をされても怒らない仏のようなひとが介護士をやっていると勘違いしないでほしいのです。
 
 
 
虐待で話題になった介護職員さん達は、…いろんなことで追い詰められてたんだと思います。
虐待のニュースがとりあげられると、介護現場を知らない人たちが、テレビで認知症という病気の勉強なり研修を、もっと職員にさせないと虐待は減らない。そして職員にやりがいを持たせなければならない」といってるのを見かけますがら何言ってんだこいつら…って感じですね。
勉強したって認知症になった人間の行動は、我々の理解を超えるのです。
やりがい?そんなもん労働に見合った対価をだしてから言えば?
それができないなら、人員不足なのに頭のおかしい利用者を拘束することも許されない…意味不明な理想追求型介護をやめるべきです。
自分が家で看れない家族を預かってもらってるのに、金を払ってるからってふんぞり返っている家族は、恥ずべきことだと自覚するべきです。
反撃も許されない、拘束も許されない、怪我したり転倒したら家族にわめき散らされ、バカみたいに安い給料で肉体も精神もすり減らしてる…。
みんな介護職員という肩書きがなければ、ぶん殴っています、絶対に。
でも、介護職員だから、と耐えて耐えて耐え抜いて…ついに逃げ場をなくした職員さんが虐待をしてしまうのです。
 
 
 
これが本当に「福祉」と呼べるのでしょうか。
職員に手を差し伸べもしない…こんな卑劣な業界を「福祉」と呼んでいいのでしょうか。
TVで虐待のニュースをぼんやり眺めているだけのひとは、介護職員の気持ちを考えたことがありますか?
虐待するようなクズ人間、介護現場はそんなんばっかりだ、やっぱ底辺職だな…と思っていることでしょう。
でも実際に介護現場で働いているわたしは、虐待のニュースが出るたびに、悲しい気持ちになっています。
虐待してしまった職員さんは加害者だけど…この業界に心を壊された被害者でもあるんじゃないでしょうか。
この仕事をしてると、死んでくれと思うことはあれど、実際にフルスイングでぶん殴ってやりたい、いっそ殺したいなどとは思いません…。
けれど、わたしもやっぱり、おなじ介護の仕事をやってるから、苦労とか辛い気持ちとかイライラする瞬間が必ずあることも、知っています。
だから、ひとの世話をする仕事なのに、信じられないよね、ありえないよね、なんて言えないし言いたくないのです。
気持ちがわからない訳じゃないから。
明日は我が身だなって思います。
1回殴ったらそれが当たり前になって、常習化して、虐待になったのかもしれません。
きっと、殴ったからってスッキリなんてしないと思うのです。
モヤモヤするだけだったんじゃないでしょうか。
虐待するひとが一番悪いけど、きっとその職場の環境も悪かったのかもしれません。
やっぱりどっかで自分でブレーキ踏まなきゃいけないけど、踏みそこなったとき代わりに踏んでくれるひとが側にいるといいのかなって思います。
 
 
 
まあ、いろいろ愚痴りましたが…
ぶっちゃけられてスッキリしたぜ!
まあ、テキトーに介護職でもやろうかなぁと思っているひとが、一度、見つめ直すきっかけになってほしい。と思って書いたのですが、最後の方は愚痴が楽しくなりました。
介護って入るのは簡単だけど、簡単な仕事ではない、と思う。
若者には、つらくても、頑張って就活してもらって…
まちがってもこんな介護職員にならないことを切に願っています。
 
 
 
おわり。