大逆転裁判:第3話 疾走する密室の冒険
ども!
ずしおうまるです。
大逆転裁判…第3話です。
逆転裁判にたまーにある胸糞裁判…今回はまさにこれ。
突然命じられた裁判、仕組まれた証拠品、あからさまに怪しい被告人、揺るぎない判決。
龍之介、ロンドンの地で初裁判に挑む!
んじゃ3話いってみよー!
記録を読み返すと、あれは19世紀の終わり。
…厳しい冬のことだった。
事件は霧深い、深夜のロンドンの街路をひた走る、《乗合馬車》の中で起こった。
馬車には、被害者と容疑者の両名のみ。
複数の人間が、その事件を目撃した。
…いったい誰が想像しただろうか。
この“単純”きわまりない事件が、あのような恐ろしい《結末》を迎えることになろうとは。
我が友、シャーロック・ホームズは、あの事件を振り返って、こう言った。
『思えば…あの事件こそは序曲だったのかもしれないね。
忘れがたき…あの日本人留学生と演じた、長い《協奏曲》のはじまりだ』
そしてその足で高等法院 首都判事執務室へ向かう。
本来ならばここで、留学生であるはずのアソウギが到着を報告するはずだったが、アソウギは、もういない。
龍之介は主席判事ハート・ヴォルテックス首席判事にあるお願いをする。
『司法留学の続行』…アソウギの意志を継いで弁護士を務めたいと申し出る。
アソウギの意志を継いで…この言葉を龍之介が叫んだ瞬間、ヴォルテックス首席判事の表情が僅かに変わる。
ヴォルテックス首席判事は『試験』を龍之介に言い渡す。
ある事件の裁判がこれからはじまる。
その事件の、『無罪判決』を勝ち取れ…と。
龍之介たちは新たな地で、いきなり裁判を行うことになる。
そのうえ、無罪判決という条件付きで。
事件は走行中の乗合馬車の中で起こった。
被害者の遺体には大型のナイフが突き刺さっており、その傷が死因と思われる。
馬車の中には被告人と被害者の2人しかいなかった。
被告人の右手の手袋には血が付着しており、刺したときに付着したものと思われる。
事件当時、御者1名と屋根席に座っていた乗客2名が、被告人が被害者を刺した瞬間を天窓から目撃している。
弁護人:成歩堂 龍之介
事件の概要、被害者、被告人、英国式の裁判など、ほとんど知らされないまま裁判に挑む。
事件の真実を追求するべきか、
被告人を最後まで守り抜くべきか、
その狭間でもがき苦しむことになる。
検事:バロック・バンジークス
通称《死神》…彼が立つ法廷で被告人は『いけにえ』と呼ばれる。
というのも…彼の立つ法廷で、被告人のイノチが助かったことはないからである。
いつしか彼の前に立とうとする弁護人はヒトリも、いなくなった。
法廷に立つのは、じつに5年ぶり。
被告人:コゼニー・メグンダル
バロック・バンジークス検事…通称《死神》が法廷に立つことになった為に、請け負ってくれる弁護人が誰ヒトリいなかった。
ロンドンを2つ買えるほどの巨大な財産をもつ。
公園を寄付したりと、ロンドンでは知らぬものがいないほどの慈善家である。
しかし、その裏の顔は非常に狡猾な金貸しである。
弱いものに法外な金利で貸し付け、その後すべてを奪い去る…彼の財産はそうやって築かれたものだった。
被害者にも多額の金を貸しており、事件の起こった晩は、その返済日だった。
最初こそ彼に不利な裁判だったが、審理が進むにつれ、彼に有利な証拠や証人が不自然なほど現れる。
その審理の行方は…?
被害者:三度焼きのモルター
貧しいレンガ職人。ただし腕はピカイチ。
事件当夜、被告人メグンダルと共に乗合馬車に乗っていた。
腹部を一カ所ナイフで刺され、内部出血による失血死で死亡。
メグンダルに多額の借金があり、事件当夜はその返済日であった。
偶然にも同じ馬車に乗っていた、レディファストの作った帽子を気に入り、被っている。
証人1:ベッポ
事件当夜、馬車の御者をしていた。
最初こそ事件を目撃していたと証言していたが、実際は馬車を運行中だった為、目撃しておらず。
他の2人の証人の騒ぎを聞きつけ、馬車を止めた。
本来1人につき4ポンドで馬車に乗せる決まりがあったが、こっそり1人5ポンドの料金をとっていたお茶目な老人。
証人2:オスカー・フェアプレイ
事件当夜、屋根席に座っていた銀行員。
かなり博打好きなようである。
じつは彼も、被告人メグンダルから金を借りており、返却期日が迫っていた。
あわよくばメグンダルを有罪にして、借金の帳消しを目論んでいたりする。
天窓から被告人の犯行の瞬間を目撃していた…と証言していたが、実際はやや話を盛っている。
刺した瞬間は見ていないものの、被害者の隣に座っていた人物の両手が血で汚れていたことを証言する。
しかし、審理が続くにつれ、被害者は天窓から落とされた可能性が浮上し、逆に疑われるかたちになる。
だが実際は…?
証人3:アダム・レディファスト
事件当夜、フェアプレイと同様に屋根席に座っていた帽子職人。
フェアプレイの叫び声を聞き、天窓をのぞいた為、刺した瞬間は目撃していない。
被害者の腹にナイフが刺さっていたこと、被害者の隣に座っていた人物の両手が血で汚れていたことを証言する。
フェアプレイと同様に、被害者が天窓から落とされた可能性が浮上し、逆に疑われるかたちになる。
ちなみにフェアプレイとレディファストの接点はない。
だが、被害者のモルターの被っていた帽子は偶然にもレディファストが作ったものである。
証人4:ジーナ・ストレード
スリの少女。
今回の法廷を見に来ていたようである。
メグンダルが『実はもう1人馬車に乗っていた人物がいる』ことを示唆した瞬間に、法廷中に煙幕を撒き散らし逃走をはかる。
そして結局つかまる。
事件当夜、じつは馬車に乗っていた。
お金を払って乗っていたわけではなく、スリをする為にかくれていたのである。
馬車の中のシートの部分が開くようになっており、そこに入り込み息を殺していた。
しかし大きな物音に驚き、悲鳴をあげてしまった為、メグンダルに見つかってしまう。
被害者の隣に座らされ、しばらくメグンダルと素性について話していた際に、両手に血痕が付着してしまう。
フェアプレイとレディファストが見た、両手に血が付着した人物は、ジーナのことだったのである。
事件発覚後、メグンダルによってこっそりと逃がされる。
彼女の証言により、
メグンダルはジーナの隠れていたシートの上に、ずっと座っていたこと。
メグンダル以外の人物はだれも乗ってこなかったこと。
…なとが、証言され、それをきっかけにじつは被害者は屋根席におり、天窓から落とされた…という可能性が浮上する。
さて。波乱に満ちた裁判でしたが、
結局、第3話の結末はメグンダルの『無罪判決』でした。
というのも後半は陪審員もメグンダルを擁護し、証拠・証人も揃っており、有罪にする要素が現時点ではなかったのである。
かなりシコリが残る終わり方。
おそらく…つーか100パーセント、メグンダルが被害者を殺害していると思われる。
にもかかわらず、審理の後半にかけてメグンダルに有利な証人、証拠品がどんどん出てくるのである。
床に飛び散った血だまり、
そしてシートの中に入っていたはずの荷物が消える。
天窓にはこれ見よがしに血痕が付着。
どれもジーナが法廷に煙幕を撒き散らす前にはなかった証拠である。
このことから、ジーナとメグンダルはグルである可能性が高い。
ジーナが撒き散らした煙幕によって、審理は一時中断になった為、そのスキにメグンダルが金で雇った連中に馬車に偽装工作をさせたと思われる。
たとえ屋根席から落ちた…と仮定しても、屋根席にいたフェアプレイとレディファストが共犯でなければ、行えない犯行である。
フェアプレイとレディファストの接点はまったくない。
被害者と2人の接点も、ほとんどない(モルターが被っていた帽子はレディファストが作った&フェアプレイは被害者とほぼ同時期にメグンダルに金を借りた…くらいか)ため、殺害の動機がないと考えられる。
と、考えると、やはり事件は乗合馬車の中で起こり、メグンダルが被害者を刺し殺した…と考えるのが自然である。
ジーナはおそらく本当にスリをするために、偶然居合わせたと考えられる。
もし事件前にジーナを金でやとっていたならば、メグンダルは自分で手を汚さず、ジーナに殺させていただろうし、
そもそも被害者を殺す予定だったならば、スリではなく、金を積み、きちんとしたプロに頼んだと思う。
このことから、メグンダルは突発的に馬車の中で被害者を殺害し、たまたまジーナを発見したと考えられる。
なぜ被害者モルターが殺害されたか…明確な理由は未だ不明…メグンダルと返済期限についてモメたか、モルターが金を返せないことにカッとなったのだろうか。
とりあえず、ジーナは、口封じに金を握らされたか、協力しないと殺す…と脅されたのかは不明だが、たぶんそんな感じであろう。
こうしてメグンダルは無罪判決をまんまと手に入れたのだった。
しかし、無理に屋根席で殺された説を主張しなくても、ジーナに罪を着せることもできたように思うんだけど…。
それやったら、あまりにもジーナがかわいそうだから、その流れにしなかったのかなぁ。
無罪判決を勝ち取ったメグンダル。
しかし、ここでまさかの事態が起こる。
メグンダルは法廷で焼死したのだ。
死神…バロック・バンジークス検事が立つ法廷で被告人のイノチが助かったことはない…か。
メグンダルの死亡した理由はわからず。
事故なのか、自殺なのか、殺人なのか、わからないまま幕を閉じるのであった。
まあ、たぶん消されちゃったかんじ?
という嫌なかんじで三話は終了しました。
作られた証拠と証人で無罪判決をとらされ、モヤモヤしているところで、被告人メグンダルの死亡ですよ。
まあ、自業自得だけどさ。
そうそう、今回も新システム登場しました。
時に市民に助けられる瞬間もあるのですが、いかんせん感情に流されるので、意見がコロコロ変わり、正直うっとうしいw
この6人の意見が有罪になると、弁護側は最終弁論の機会が与えられます。
その最終弁論で過半数の意見を無罪側にできれば、審理は続行できるというシステム。
陪審員を説得するうちに、新しい発見や展開があり、おもしろい!
だけど、微妙な部分も多々ある。
たとえば…意味不明なタイミングで、陪審員が有罪に入れまくって最終弁論になったり、
陪審員に求めてるのって、客観的な意見や個人的な見解のはずなのに、一致団結で一斉に有罪にしてきたり。
『せーの』で有罪に入れてたら、陪審員の意味がないんじゃね?と思うの。
頑なに、有罪って言ってるひとの意見を頑張って変えたり、頑なに無罪って言っていくれていたひとが、検事の駆け引きでうまく有罪に誘導されちゃったりとか、そーゆうのがおもしろいと思うんだけど。
『せーの』でやってもかまわないけど、足並みを乱す、KYなお騒がせなやつとかも入れてほしかったなぁ。
あまりにも他人の意見に左右されがちな陪審員だよなぁ。
まあ、ふつうそうなんだろうけど、フィクションなんだし、頑固なキャラクターをガンガン入れてほしかったように思います。
てなわけで、第3話終了。
被告人を守るのが弁護士の仕事…。
しかし真実を追求するのも弁護士の仕事…。
今回の判決はただしかったのか?
なぜメグンダルは死んだのか?
心にシコリを残したまま、龍之介のロンドンでの初裁判は幕を閉じた。
おわり。