大逆転裁判:第2話 友とまだらの紐の冒険
ども!
ずしおうまるです。
個人的には法廷パートより探偵パートのほうが好きなので、たのしかったです。
では!第2話!
狭い部屋の、片隅…深い闇の中で、
ホームズと私は息を潜めて待っていた。
やがて…通気口から、シュウシュウと低く唸るような音が聞こえてきた。
その瞬間。
突然ホームズが飛び出して、闇の一点をステッキで鋭く打ちすえた。
『見たか、ワトソン!』
ホームズの張り詰めた声が空気を震わす。
私がランプの遮光板を上げると、部屋の情景がぼんやりと浮かび上がった。
ホームズは、部屋の隅を睨みつけて、私に向かって呟くように言った。
『被害者が死の間際に言い残した、“まだらの紐”という謎の言葉…。
その恐ろしい正体こそが…こいつだったのだよ、ワトソン君』
そこには巨大な毒蛇が牙をむき、
威嚇するようにとぐろを巻いていた。
…それは世にも恐ろしい“まだらの紐”だった。
成歩堂龍之介はその時、船に乗っていた。
大英帝国へと向かう、船に。
実は大英帝国へ留学する親友のアソウギに誘われて、トランクに入り込み密航していたのである。
乗り込んだあとは、アソウギの客室のクローゼットに隠れていた…事件があったその瞬間も。
そして事件はアソウギの客室で起こった。
部屋には内側からカンヌキがかかっており、外からの出入りは不可能。
被害者は死ぬ間際にロシア語で『クローゼット』と書き残していた。
そして被害者が死ぬ直前に日記に書いていたと思われる謎の文章。
『午前壱時弐拾参分 低い口笛のような音を聞く。
午前壱時参拾五分 通気口に、まだらの紐を目撃す』
密室状態のその部屋で、そのクローゼットの中にいた人物は…
容疑者(密航者):成歩堂 龍之介
アソウギに大英帝国の留学へ誘われ、アラクレイ号にこっそりと乗り込む。
密航後はクローゼットに入って隠れていた。
事件の夜、いつものようにアソウギの夕食だったチキンを食べて、クローゼットへ隠れた。
しかしそのチキンは何者かによって、睡眠薬が混ぜられていた為、クローゼットの中で爆睡。
アソウギが死んだことにも気づかず、事件発覚後、ホームズに発見されて、ようやく眼を覚ますことになる…。
事件現場だったアソウギの客室のクローゼットにいたうえ、容疑者にされてしまった為、手錠をはめられている。
アソウギの無念を晴らす為に、ホームズと協力して事件を調査することになる。
被害者:亜双義 一真
大英帝国に留学へ行く途中だった龍之介の親友。
龍之介を誘い密航をさせ、クローゼットの中に龍之介を隠していた。
死因は外傷は見当たらないものの、強い衝撃により頸椎を損傷しており、首の骨が折れ、即死だったと思われる。
床にロシア語で『クローゼット』というダイイングメッセージを残している。
また、死ぬ間際に書いたと思われる日記には、
『午前壱時弐拾参分 低い口笛のような音を聞く。
午前壱時参拾五分 通気口に、まだらの紐を目撃す』
という謎の文章を残している。
乗客:シャーロック・ホームズ
たまたまアラクレイ号に乗り合わせた大英帝国が誇る名探偵。
クローゼットにいた龍之介を発見し、手錠をかけた。
陽気でマイペース。着眼点や観察眼は天才的だが、推理はかなりぶっ飛んでおり、ちょこちょこ穴がある。
龍之介と共に共同推理をしたことをきっかけに、龍之介と協力し事件の謎を解明していく。
乗客:御琴羽 寿沙都
アソウギの法務助士として、共に大英帝国に行く予定だった。
生真面目でちょっと勝気な大和撫子。
龍之介が密航していることを、アソウギから知らされていなかった。
アソウギの死を誰よりも悲しむ。
龍之介が容疑者にされた時も、ひどく取り乱しており、なかなか龍之介を信用できず。
結局、一緒に調査しながらも、終盤まで龍之介を信じられずにいた様子。
最終的に龍之介に謝罪し、アソウギの魂でもある大切な刀『狩魔』を託し、共に大英帝国に行くことを誓う。
船員:細長刑事
今回も特務指令を受けて潜入調査中。
特務指令とはアソウギの護衛だったようである。
アソウギの死に責任を感じており、龍之介の調査に協力してくれる。
そのせいでキャプテンにフルボッコされたりと、まったくツイていない。
容疑者であるはずの、龍之介を心から信じている。
船員:ミトロフ・ストロガノフ
蒸気船アラクレイ号の壱等船室区画の監視と警備を担当する船員。
屈強なロシア人。
船の決まりである『動物を持ち込まない』という決まりをぶち破り、こっそり大蛇を飼っている。
顔面に残るしま模様の跡は蛇に巻きつかれた跡。
じつはある人物の亡命に協力するために、船員総出で、乗客全員分の夕食のチキンに睡眠薬を盛る。
さらにアソウギの事件の偽装工作も手伝ってしまう。
乗客:グリムズビー・ロイロット
事件当時、アソウギの隣の部屋に泊まっていたロシア人。
アソウギの部屋と通気口が繋がっていた。
あからさまに怪しい。
真犯人(密航者):ニコミナ・ボルシビッチ
ロシアのノバビッチ・バレエ団に所属する踊り子。
上海で上演中だったが、自由のない貧しい生活に耐え切れず、アメリカへ亡命をするためにグリムズビー・ロイロットという名の老人に変装し、アラクレイ号に乗り込んでいた。
アラクレイ号でかつて踊りを披露していたため、船員とは昔の仲間同士。
そのため、船員たちはニコミナの亡命に協力していた。
亡命する際、トモダチの黒猫『クロッポイ』と一緒にアラクレイ号に乗船する。
この黒猫が悲劇の引き金となる。
ある理由により、彼女がアソウギを突き飛ばした瞬間、クロッポイがアソウギの足にまとわりつき、バランスを崩し転倒してしまった。
この転倒が死亡の原因になってしまった。
第2話は不幸な偶然が重なってしまった…というやるせない事件だったね。
事件をまとめると…。
その日アラクレイ号は、ある人物を乗せるために、ある場所で一時停泊していた。
ニコミナ・ボルシビッチ。
ノバビッチバレエ団の団員で、彼女はアメリカへ亡命しようとしていた。
彼女の失踪についてロシアでは誘拐とされ、新聞記事に大々的に載っていたが、実際は亡命をするために逃亡中だった。
バレエ団に入る前、ニコミナはこのアラクレイ号で踊り子をやっていた縁もあり、船員とはかつての仲間同士だった。
船員はニコミナの亡命を手助けするべく、停泊する予定の無い場所でニコミナを乗せた。
もちろん、ほかの乗客にバレないように、こっそりと夕食のチキンに睡眠薬を忍ばせて…。
船に無事、乗船したニコミナ。
さっそく、ニコミナのトモダチ黒猫の『クロッポイ』を鞄の中から出してあげた。
すると、クロッポイは通気口から、隣のアソウギの部屋に入り込んでしまった。
これが事件のはじまりだった。
ニコミナは通気口からアソウギの部屋に猫じゃらしを垂らしたり、口笛で呼び寄せるも、クロッポイは帰って来ず(アソウギの日記に書かれた口笛とまだらの紐はこのこと)
仕方がなくアソウギの部屋を訪ねることにしたニコミナ。
鶏肉が苦手だったアソウギは夕食の睡眠薬入りのチキンに、一口も手をつけておらず、まだ眠ってはいなかった。
アソウギはニコミナと一緒に猫を探すのを手伝うと…申し出てくれた。
しかし、そのときアソウギは、ふいにニコミナがバレエ団の団員であることに気づいてしまう。
ニコミナは、アソウギに全てを打ち明けた。
『亡命することを秘密にしてほしい』と。
すると、アソウギが『それならば相談したい者がいます』とつぶやき、後ろを振り向いた。
その瞬間ニコミナの目に飛び込んできたのは、ベッド脇にあった『呼び鈴』
ニコミナは…アソウギがベッド脇にある『呼び鈴』を鳴らし、キャプテンや他の誰かに知らせようとしている…と思い込んでしまう。
その瞬間ニコミナは、とっさにアソウギを突き飛ばしてしまう。
その音にびっくりして飛び出してきたクロッポイがアソウギの足に絡みつき、バランスを崩したアソウギは…。
ベッドの柵に首を打ちつけ、頸椎を損傷。
首の骨が折れ、死亡してしまう。
こわくなったニコミナは、急いでストロガノフを呼ぶ。
ストロガノフは殺人に見せかけるため、現場に偽装工作をする。
その際に偶然クローゼットを開け、龍之介を発見。
龍之介は夕食の睡眠薬入りのチキンを食べたため、熟睡していた。
その時、ストロガノフは龍之介を容疑者にすることを思いつき、現場にロシア語でクローゼットと書き残した。
その後部屋から出たストロガノフは、緊急時のアラームを鳴らし、船は緊急停泊する。
その時に生じる揺れで起こる慣性の法則を利用し、アソウギの客室のカンヌキを閉めることに成功。
アソウギの客室を密室にしたのだった。
これが事件の真相。
殺人と言えば殺人…でも事故と言えば事故。
なんとも消化不良。
ただ、ニコミナはストロガノフと故意に偽装工作をたのがまずかったよなあ。
結局ニコミナは結果的に色んなひとを巻き込みまくっちゃったね。
それにしても第1話で主人公に関わっていた重要人物が、第2話でアッサリ死ぬのも逆転裁判だよね。
アソウギ…こんなに簡単に。
千尋さん並みのあっけなさだった。
ちなみにニコミナは、アソウギが誰かに亡命をチクろうとして、『呼び鈴』に目を向けた、と勘違いして突き飛ばしちゃったわけだが…。
実際にアソウギが視線を向けていたのはクローゼットで、その中にいた龍之介に相談しようとしていた…というのも、また悲しい。
しかし今回も微妙に謎が残る。
アソウギは大英帝国で『やらなければならないことがある』と言っていたが、結局それがなんだったのかわからず。
さらに留学するだけなのに、暗殺される可能性まで考えて護衛が付いていたのも不思議。
もしやアソウギは何か危険なことに巻き込まれつつあったのだろうか?
また、護衛が付いていることをアソウギ本人が知っていたにも関わらず、命の危険がある旅に、龍之介をわざわざ密航という犯罪をさせてまで連れてきた理由も不明。
もしかしたら、アソウギは自分の身に危険が迫っていることに気づいていて、龍之介にその意志をついでもらうために連れてきたのだろうか?
なんだかスッキリしない2話でした…。
あ、そうそう。
冒頭でも話しましたが、今回はアラクレイ号という船の中で起こった事件だった為、法廷パートはなく、探偵パートだけで話がすすんでいきました。
んで、名探偵シャーロック・ホームズと協力して、事件を解決する共同推理が新しく登場。
ボケボケなホームズの推理を龍之介が補完しながら新しい事実を見つける。
視線の先や、しぐさ、さまざまな角度から、相手を見たり、部屋を見回すことで新たな発見があります。
この発想はけっこうおもしろかったですね。
ホームズの推理が酷いことになってたけどw
そのせいで少しテンポの悪さを感じました。
一度ホームズがあり得ない推理を2回分にわけて長々と語った後、龍之介がまた最初から推理の穴を埋めていく形だったので、とにかく長い、飽きる。
とりあえず、最初にホームズが推理を語る部分はいらないような気がする。
いきなり推理をはじめちゃって、法廷パートみたいに、推理のムジュンを龍之介が、バンバン暴いてく感じでいい気がするけれど。
もし次回作があるなら、このあたりをうまく改善してほしいなぁと思います。
てなわけで、
2話終了。親友…アソウギとの別れ。
龍之介はアソウギのかわりに大英帝国に留学すべく、残りの40日間をすべて勉強に費やすことを決意するのだった。
3話につづく!
おわり。